年金制度の歩み

      2016/08/21

始まりは恩恵的なものでした

我が国の年金制度は明治8年の海軍退隠令に始まり明治9年の陸軍退隠令、明治17年の官吏恩給法を経て大正12年に「恩給法」に統一されました。しかし、これらの恩給制度は非常に恩恵的な性格が強いものであり、現在の社会保険制度とは異なったものといえるでしょう。

社会保険制度の歩み

我が国の最初の社会保険制度は昭和2年の「健康保険」で、昭和13年には「国民健康保険」が発足しました。年金制度はといえば昭和15年の「船員保険」がはじめで昭和17年に「労働者年金保険」が発足し、同19年には女子に対象が拡大し名称も「厚生年金保険」になりました。その後様々な改革が行われ昭和61年には「基礎年金制度」が発足し現在の形になりました。現在では、制度間で負担と給付に不公平感があったために各種年金制度の統一作業が行われています。

現行年金制度の仕組み

公的年金制度は3階建て(あるいは4階建て)制度と言われています。1階部分は全国民共通の「基礎年金」2階部分が「被用者年金」ここは現在ほとんどが厚生年金となっていますが、まだまだ、共済年金を受給している方が多くおり、かつ、完全一元化まで徐々に格差是正しているところです。従ってまだまだ、共済年金は無視できません。3階部分は国民年金基金、厚生年金基金となっていますが、バブル崩壊後の運用低迷により多くの厚生年金基金は解散の危機にあり、特例法によりほとんどの基金は解散を選択すると思われます。4階部分は企業年金です。大企業を中心に退職金の年金払いとして、期間を区切って年金を支給している例が多くあります。もちろん無い会社も多くありますし、対象者を絞っている場合もあります。

これからどうなる

ここからは全くの私見となります。よく「年金はどうせもらえないから加入しない」という方がいます。まあ、あなたが年金の掛け金を払わないというのは、自由(では無いですよ)だったとしてもその結果無年金となります。「生活保護をもらった方が額が多いからかまわない」という方もいます。ただ、いつまで生活保護の方が金額が多いかどうかわかりませんし、あなたが生活保護の対象になるかどうかわかりません。年金も厳しくなるでしょうが、生活保護はもっと厳しくなるでしょう。少なくとも生活保護の方が金額が高いというのは無くなると思います。また、無年金であっても消費税は支払っています。年金原資が足りなくなればまた消費税は上がります。あまたは年金をもらえなくても年金原資は消費税という形で負担しているのです。ならば、もらわなくては損だと思いませんか?平成21年からはなんと年金額の1/2が国庫負担になっています。こういった事実はあまり広くは知られていません。表面だけを見てマスコミは「年金破綻」とかおもしろい見出しを打ちますが、年金がもらえなくなることは無いと断言できます。ただ、額は少し減るかもしれません。

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