私(夫)にも遺族年金がもらえるって本当ですか?
従来の遺族基礎年金
2014年3月31日前の遺族基礎年金は、国民年金に加入している夫が死亡した後の遺族の生活保障のために支給される年金でした。遺族基礎年金は、夫が死亡した後の妻子(いわゆる母子家庭)の生活のためでした。このため、支給対象者は、夫または父親に生計を維持されていた「子」または「子のある妻」だったのです。また、支給期間も子の年齢が18才に達した年度末であるなど、あくまで子供が独立するまでの生活保障的な意味合いが強いものです。
年金制度の「子」とは、18歳到達年度の末日を経過していない子、または、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級に該当する子のことです。子どもなら、何歳でもいいというわけではありません。また、生計維持については、妻の年収で判断され、850万円未満なら支給対象です。年間850万円以上も稼いでいれば、国から年金をもらわなくても子どもを養っていけますよね、ということなのです。
それに、もう一つ、遺族基礎年金の支給には保険料納付条件がついています。国民年金保険料を払った期間(保険料免除期間も含む)が、加入期間の3分の2以上あることです。当分の間は、死亡月の前々月までの1年間に保険料の滞納がなければ支給されます。
夫が働き、妻は家事と子育てに専念するという、伝統的な家庭は時代の流れとともに変わり、多様化しています。専業主婦として家事・育児に専念する妻は減る傾向にあり、パートや会社員として働く妻が増えています。また、妻の扶養家族になって家事・育児を担う専業主夫も少しずつですが増えてきています。
このように、家庭が変わっているのに、年金制度は古いままでした。だから、遺族基礎年金の男女差は「『母子家庭』には支給されて、『父子家庭』に支給されないのは男女差別だ」などと言われてきました。それが、今回の改正で2014年から亡くなったのが妻でも遺族基礎年金が支給されるようになりました。
支給される遺族基礎年金の額は、子どもの人数で異なります。下表を参照してください
子のある妻または夫に支給される遺族基礎年金の額(平成28年度価格)
子の数 | 基本額 | 加算額 | 合計 |
1人のとき | 780,100円 | 224,500円 | 1,004,600円 |
2人のとき | 780,100円 | 449,000円 | 1,229,100円 |
3人のとき | 780,100円 | 523,800円 | 1,303,900円 |
子に支給される遺族基礎年金の額(平成28年度価格)
子の数 | 基本額 | 加算額 | 合計 |
1人のとき | 780,100円 | - | 780,100円 |
2人のとき | 780,100円 | 224,500円 | 1,004,600円 |
3人のとき | 780,100円 | 299,300円 | 1,079,400円 |